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「相続をきっかけに、身内同士が財産を奪い合い、相続争いに・・・」。最近では、このような話は、枚挙にいとまがありません。日本では、かつてない少子高齢化社会が到来し、経済も右肩上がりの成長が期待できない現状がその背景にあります。また、核家族化や個人主義、権利意識の高まり、といったことも、その一因と考えられます。
かつて、一般的だった「親子三世代が同居し、長男が親の面倒を看て、親の財産は長男が引き継ぐもの」といった考え方が変わってきています。家族のあり方が多様化し、結婚しない夫婦や結婚しても子供を持たない夫婦の増加。そして、離婚する夫婦の増加。マンション生活により、親の面倒は老人ホームに頼らざるを得ない子供世代の実情。家族関係は、ますます多様化し、複雑化し、それに比例して個人の権利意識が強くなってきています。そこには、家族ごとに個別の人間関係や事情があり、とても一律に語ることはできません。
このような状況下で、一旦、相続が発生すれば、当事者それぞれが各々の事情や権利を主張するため、「揉めないほうがおかしい」と言っても過言ではありません。
でも、ご安心ください。そんな相続問題を未然に防ぐ切り札が「遺言」なのです。法的にきちんとした遺言書を作成することで、自身の財産をめぐる相続トラブルを未然に防ぐことができるのです。
遺言書を作成する最大のメリットは、相続時に問題となる「遺産分割協議」を行わずに、相続手続が完了できるということです。
遺言書がない場合、亡くなった方の財産をどう分けるかは、相続人全員の話し合いによって決めます。これを「遺産分割協議」といいます。
そして、遺産の名義変更には、この「遺産分割協議」が成立したことを証する「遺産分割協議書」が必要です。加えて、この「遺産分割協議書」には、相続人全員の署名と実印での捺印、そして相続人全員の印鑑証明書を添付する必要があります。
一番の問題点は、この「遺産分割協議」は、なかなか話し合いが難しいということです。最近では、相続人がそれぞれの権利を主張し合って、挙句の果てが、裁判沙汰ということも少なくありません。
相続人のうちの誰か1人でも、遺産の配分に納得せず、実印の捺印を拒否すれば、「遺産分割協議書」は作成できず、遺産の名義変更もできないことになってしまいます。
実際、この「遺産分割協議」がなかなか纏まらず、「遺産分割協議書」が作成できずに、相続トラブルに発展してしまうケースも多くあります。そこに、普通のご家族であっても、相続トラブルが急増している実情があります。
一方、遺言書があれば遺言が優先され、遺産分割協議は不要となり、相続人が話し合う必要もありません。
なぜ、遺言書が優先されるかというと、日本の法律では、財産を所有する人が生前に遺言書を作成して「こうしたい」という意思を示せば、それを優先するとしたのです。
そして、生前に遺言書を作成しなかった場合は、その次の順番として、相続人全員で話し合って決めてください、としたものです。
世の中には、相続をきかっけに兄弟仲が悪くなったという話をよく聞きます。財産に関する話し合いは非常に難しいものです。1つ間違えば、感情がこじれて争いになります。
このような、相続人間で遺産についての話し合いをしなくて済むということは、相続を円滑に行なうためには非常に重要で、遺言書を作成する大きなメリットです。
最近では『争族』とまで言われる相続争いを防ぐため、遺言書を作成する方が非常に増えています。
では、遺言書を作成すると、どんなよいことがあるのか、そのメリットについてご案内いたします。
備えあれば憂いなし! 是非、皆さまもチェックしてみてください。
民法では、相続人が遺産を相続する場合の権利割合として、法定相続分というものが定められています。
例えば、夫が死亡した場合、妻の法定相続分は1/2で、長男は1/4、二男も1/4となります。
この法定相続分というのは、家族ごとの個別の事情などは考えないで、日本全国の相続人の権利割合を一律に定めたものです。
遺言書がない場合、この法定相続分に基づいた遺産分割が原則となります。
しかし、個別のご家族の事情を考えた場合、この法定相続分で分けるとうまくいかないケースも多いです。
例えば、妻の法定相続分は1/2ですが、自宅を取得すると金融資産はほとんどもらえない場合があります。これで、本当に妻の老後の生活は大丈夫でしょうか。
また、親の面倒を看ている長男と、全く面倒を看ていない二男とが、同じ1/4の権利割合でよいのでしょうか。
法定相続分は、妻の老後の生活のことや、誰が親の面倒を看ているか、などという個別事情は一切考慮していません。
そのため、ご家族ごとの個別事情を反映させるには、法定相続分ではなく、遺言書を作成してご家族ごとの個別事情に合った財産の配分にする必要があります。
遺言書を作成する2番目のメリットは、法定相続分ではなく、遺言者の意思に基づくご家族のご事情に合った財産配分が可能になるということです。
人が死亡した場合、その人の金融資産は凍結されて引き出せなくなってしまった、という話を聞いたことがあると思います。
亡くなった人の金融資産は、相続人間での遺産分割協議が整い、遺産分割協議書が作成されるまで、金融機関から引き出すことはできません。
万一、遺産分割協議がもめて整わなかった場合には、裁判で決着がつくまで引き出せないことになります。
また、もし、相続人の1人が海外にいたり、認知症だった場合、遺産分割協議そのものに時間がかかったり、難しくなったりする場合もあります。
そのような場合、遺言書があれば、遺産分割協議が不要なので、すぐに相続手続きができ、金融資産の名義変更や解約もスムーズに行なうことができます。
さらに、遺言書の中で、遺言に基づく手続きを行う「遺言執行者」を定めておけば、各相続人から印鑑などをもらう必要がなく、遺言執行者だけで遺言に基づく相続手続きをすることが可能です。
そのため、最近では、相続でもめる心配がない方でも、相続手続きを円滑に進めたいという目的で、遺言書を作成する方が増えています。
遺言書を作成する3番目のメリットは、遺産分割協議が不要で、各相続人から印鑑などをもらう必要もなく、早く簡単に相続手続きを行うことが可能になるということです。
折角作成した遺言書も、法的に不備があったり、他人が読んでもよくわからなかったり、誤解を生じさせてしまうような遺言書では意味がありません。
遺言書の大きなメリットである相続争いを未然に防ぐためにも、法的に「きちんとした遺言書」を作成する必要があります。
「きちんとした遺言書」を作成するために、事前に行うべきことは、次の4点です。
① 自分の現在持っている財産内容を把握する(不動産・金融資産・借入金等)
② 自分の相続人と、その相続人の有する相続割合(権利)を把握する
③ 各相続人の遺留分(最低限保証される相続の権利)を確認する
④ 今後の自分と、家族や相続人の状況及び将来を考える
上記のことを充分に把握・理解してはじめて、本当に家族や相続人のためになる、真の「きちんとした遺言書」を作成することが可能になるのです。
加えて、「きちんとした遺言書」には、当然ながら、法的にも問題ないことが必要です。遺言書は、そこに書かれた文言1つで、財産の取得者が決まってしまう、大変に重要な法律文書です。思いつくままに、ただ漫然と書くメモではありません。
万一、訴訟になった場合、皆様の作成した遺言書が証拠物件となります。裁判の時には、残念ながら、既に皆様はいません。誰も皆様の真意を聞くことはできません。遺言書に書かれた文言だけが証拠となります。たとえ、裁判になって相手方に弁護士が出てきた場合でも対応できるよう、法的に問題のない遺言書を作成することが必要となります。
自身の想いを乗せ、家族への想いを添え、かつ法的にも問題のない「きちんとした遺言書」を作成しておくことで、円滑でスムーズな相続が可能となります。 是非、皆様も、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
遺言書に記載する内容は、大きく2つに分けることができます。
1つは、遺産の配分内容など、法律上の効力を持たせるために記載する「法定遺言事項」。
もう1つは、法的効力を直接発生させるものではないが、遺言者のお気持ち等を記載する「付言事項」。 そして、この付言事項には、ご家族へのメッセージや葬儀・納骨に関する希望などを記載します。
私どもの事務所では、遺言書の作成をお手伝いさせていただく際には、この「付言事項」について、必ず参考文案をご提案させていただいております。理由は、この付言事項が、相続人間のトラブル回避や円滑な相続手続のために、非常に重要だからです。
法定遺言事項は、そもそもが法律上の効力を持たせることを主眼としているため、言葉の使い方から、その内容に至るまで、非常に法律を意識した文言・内容になります。ある意味、無味乾燥な法律用語を使い、法律上、間違いなく作成される必要があります。
遺言書に法定遺言事項しか書かなかった場合、遺言書を読んだ相続人は、この遺言書を作成した故人の真意が分からず、「なぜ、お父さんは、このような内容の遺言書を作ったんだろう」とか「私のことを、お父さんはいったいどう考えていたんだろう」などという気持ちになってしまうこともあります。
そこで、遺言書の1番最後に「付言事項」という形で、遺言者から各相続人への想いやメッセージを書いてあげるのです。通常は、今まで寄り添ってくれた配偶者への感謝、老後の面倒を看てくれた子供たちへの感謝、そして、子供たちの幸せを願う親としての想い、などを具体的なエピソードなどを盛り込みながら、気持ちを込めて書きます。
一般的には、四十九日法要等の相続人が一堂に会する場で、遺言書を相続人に披露することが多いですが、その場はやはり重い空気が流れることが常であり、時には、一触即発の緊張感も感じられます。
まず、最初に、相続人には、法定遺言事項を読み上げて説明しますが、中には、読み上げている最中にも「なんで、俺の取り分がこんなに少ないんだ」と、不満げな表情を浮かべる相続人もいます。
しかし、遺言書の最後に書かれている「付言事項」を読み上げると、故人の家族に対する想いが相続人にも受け止められ、故人のことを偲んで、思わず感極まる方も大変多くいらっしゃいます。一触即発だった空気も、いつしか故人への感謝の気持ちに代わっていきます。
この付言事項は、故人からご家族への「本当に最後の言葉」となるものです。私どもは、「本当に最後の言葉」となる「付言事項」を、非常に大切なものと考えております。
どうか、皆様も、相続人の琴線に触れる、心を込めた付言事項を書いてください。
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